「家賃は上がらない」という沖縄の常識は、もう過去の話です

最近、私たちのオフィス(RE/MAX HUB)にも、このような切実なご相談が増えています。
「更新のタイミングで、家賃を1万5千円上げると言われた」
「ずっと変わらなかった家賃が、今回ばかりは無理だと言われた」
「移住者が増えて、周辺の相場が信じられないくらい上がっている」
一昔前の沖縄なら、「それは一部の人気エリアの話でしょう?」で済んでいたかもしれません。 ですが今、沖縄全域で起きているのは、一時的な現象ではなく、住居費に関する「前提」そのものの変化です。
現場で日々お客様と向き合っているエージェントの声として、正直に申し上げます。
「家賃は据え置きが当たり前」という時代は、沖縄でも終わりを迎えました。
私たちは長い間、家賃を「変わらない固定費」として人生設計に組み込んできました。 しかし、その前提は今、音を立てて崩れ始めています。
実は、私たち不動産のプロや建築業界の間では、この変化は「予測されていた未来」です。
賃貸物件の管理シミュレーションや、新築マンションの事業計画を立てる際、もはや「家賃上昇」の項目を外して考えることはありません。
物価、人件費、そして沖縄特有の建築コストの高騰。 これらを考えれば、プロの視点では「家賃は上がるもの」として未来を描くのが、今のスタンダードなのです。
もしあなたが「今の家賃がずっと続くから、購入を考えるのはまだ先でいい」と思っているなら、この記事を最後まで読んでみてください。
これは不安を煽るためのものではありません。前提をアップデートして、賢く準備していただくための「現場からのメッセージ」です。
物価も建築費も上がるのに、家賃だけが止まるわけがない
ここ数年の沖縄の風景を見ていて、皆さんも感じているはずです。 あらゆるモノの値段が上がりました。
特に沖縄において深刻なのは、「建築コスト」と「人件費」の上昇です。 資材は高騰し、職人不足も相まって、新しく家を建てるコストは数年前とは比較になりません。
「家賃だけは別だろう」 そう思いたい気持ちも分かりますが、現実は残酷です。
賃貸物件も、オーナー様にとっては「経営」です。
- 建物を維持するための修繕費が上がる
- 共用部の清掃や管理に関わる人件費が上がる
- 固定資産税や金利の影響も無視できない
これだけのコスト上昇を抱えながら、家賃だけを据え置き続けることは、物理的に不可能な局面に達しています。
実際、私たちがオーナー様と打ち合わせをする際も、「適切な維持管理を続けるために、家賃の見直しは避けられない」という結論になることが増えています。
沖縄の現場ではいつもこんな声が飛んでいました。
マンションの入居者に家賃の値上げの話をしたら、知り合いから連絡が入ってきて、
「家賃あげないであげてよ!困っているって相談があってね!」
そんなこと言われたら上げにくくてね…
ただ、苦しいのも入居者、借り手側だけではなくなってきているのです。金利はここ半年で0.5%ほど上昇しています。今後もまださらなる上昇も予測されています。
また、リフォーム費用や固定資産税もどんどん上がってきています。今までと同じ家賃では、オーナーさんの収支はどんどん圧迫していってるのです。そのことも理解しておく必要はあるのです。

管理会社が見ている「20年先のシミュレーション」
私たちRE/MAXのエージェントが、物件の収支シミュレーションを行う際、何を見ているか。 それは「今」ではなく、「その物件を20年、30年と守っていけるか」という一点です。
決して「儲けるために上げよう」という単純な話ではありません。
- 5年後の大規模修繕に備えられるか
- 台風被害など、沖縄特有のリスクに対応できる余力があるか
- 住んでいる方に、安全で快適な環境を提供し続けられるか
こうした「建物の質」を維持するための苦渋の決断として、家賃上昇という選択肢が存在します。 つまり、家賃の上昇は「突発的な事故」ではなく、計算された「維持のためのステップ」なのです。
これがひいては入居者さんのためになることは少なくありません。
家賃は据え置き、その代わりマンションの修繕維持が行われない。設備の故障を連絡しても、なかなか修理に来ない。エントランスは荒れ放題、ゴミが散乱している。こんなマンションに住みたくないですよね?
入居者が住んでいて快適でないマンション、そんなマンションになってしまえば、誰も寄り付いてきません。分譲マンションでは、そんなことはないですよね?
それは、毎月管理費、修繕積立金が各所有者から徴収されているからです。数年後の大規模修繕に備えて、管理組合には修繕積立金がプールされています。しかも、最近では物価の高騰、人件費の高騰もあり、毎月の徴収額が値上げされているマンションは少なくありません。
購入していても、毎月の支出は増えることはあっても、減ることはないのです。

沖縄で「いつか買えばいい」が通用しなくなる理由
家賃が上がるということは、別の側面にも大きな影響を与えます。 それは、「不動産価格の底上げ」です。
「今は高いから、安くなったら買おう」 そう考えている方も多いですが、家賃が上がっている状況では、物件の収益価値が下がらないため、価格も下落しにくくなります。
むしろ、家賃上昇を背景に、不動産価格はさらに強含みになる可能性が高いと思っています。 すでに沖縄では、「去年買っておけばよかった」という声を、毎日のように耳にします。
すでに購入しているお友達や、数年前から購入を検討しているお友達さんからこんな話を聞いたことがないですか?
「〇〇のマンション、去年〇千万円台で買えたのに、今〇千万台まで上がってるらしいよ」
これは一部の地域、一部のマンションブランドだけで起こっている現象ではないのです。
数年後、家賃は今より高く、物件価格もさらに上がっている。 そうなってから「あの時動いていれば」と後悔しても、選べる選択肢は確実に減ってしまっています。
ちなみに、価格差、金利差でどれだけ支払額が増えるかシュミレーションしていきましょう。

不動産価格が上がらなかったとしても、金利が0.4%上がるだけで毎月の支払額は5,600円ほど増えてしまいます。さらに、不動産価格が1,000万円上がってしまうと、毎月の支払額は35,000円近くも増えてしまうのです。
総支払額で見るともっと顕著です。1,000万円不動産価格が上がりますが、総支払額は1,500万円近くも増えていますよね?
これが、低金利の時に買う、不動産価格がまだ安い時に買うメリットなのです。
あなたの「家計シミュレーション」に、上昇分は入っていますか?
ここで一度、ご自身の人生設計を見直してみてください。 多くの方が作る家計簿には、以下の前提が置かれています。
- 今の家賃:〇〇円(固定)
- 今の収入:〇〇円
- 将来の貯蓄:〇〇円
もし、この「家賃」が5年後、10年後に月々1万円、2万円と上がっていったらどうでしょうか? 月1万円の増額は、年間で12万円。10年で120万円の支出増です。 その分、本来できるはずだった「子供の教育費」や「老後の蓄え」が削られていくことになります。
これは購入した場合でも同じです。購入したら固定費は変わらない、この前提も変わってきている、これが今の時代なのです。
変動金利で組んでいる場合、金利が上がれば当然毎月の支払額は増えます。購入当初5年間は世間の金利が上昇しようと、毎月の支払額は変わりません。しかし、5年後のタイミングでは見直されることになるのです。これは、家賃の値上げ交渉と違いSTOPはかかりません。必ず上がるものなのです。
しかも前述した通り、管理費や修繕積立金も上昇していくもの、そう考えておく必要があるわけです。
「賃貸か、購入か」という二択の正解を求めているのではありません。 大事なのは、「家賃は上がる、管理費も修繕積立金も上がるという前提」で、どちらの道が自分にとって豊かになれるかを計算し直すことです。

「不安」を「準備」に変えるために
今日のこの記事を読んで、少し焦りを感じた方もいるかもしれません。 でも、大丈夫です。
大切なのは、今日から行動を始めること。 といっても、「今すぐ家を買え」ということではありません。
- 今の自分の住居費が、将来どう変化しそうか知ること
- 沖縄のマーケットの現状を、正しく把握すること
- 専門家と一緒に、フラットな視点でシミュレーションしてみること
これをやるだけで、漠然とした不安は「具体的な対策」に変わります。
RE/MAX HUBには、数字のシミュレーションはもちろん、沖縄の土地柄や将来性を熟知したエージェントが揃っています。 「今は賃貸のままでいくべき」という答えも、根拠があれば立派な戦略です。
前提をアップデートしましょう。 「家賃は上がらない」という思い込みを捨てた瞬間から、あなたの新しい住まいのカタチが見えてくるはずです。
もし一人で悩んでいるなら、まずは私たちにその不安を預けてみませんか? あなたの人生設計に寄り添った「本当の数字」を、一緒に作っていきましょう。




