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  3. 不動産は売り方によって価格が決まる
2025年4月10日

『不動産には相場があって、売れる値段でしか売れないよ』

たまに、こんなセリフを言う営業マンがいます。

でも、本当にそうでしょうか?

一物一価の法則

経済学の世界で、語られる言葉ですが、一物一価の法則(いちぶついっか)とは、「自由市場において同一の商品は同じ価格で取引される」という理論的な原則のことを言います。

1つのスーパーマーケットで、同じ商品、例えばコカ・コーラの350ml缶が80円だったり、右の缶は130円だったりしないですよね~という話です。

でも、次の日には特売で60円になっていることも、隣のスーパーマーケットでは同じ商品が85円だったりするものです。

あくまで、全ての条件が同じであることが前提になっています。

不動産の場合はどうでしょう?

2025年の取引と、2020年の取引では同じマンションでも価格差があったりします。

当然ですよね。その時々の相場がありますし、時勢によっても価格は変動します。

まったく同じ間取り、まったく同じ時期に売却したとしても、室内の使用状況やその他の条件によって異なる場合もあります。

なので、冒頭の売れる値段って、いったいいくらなのかという話になります。

『3,000万円ならすぐ売れますよ』

という話ではないのですよね。

私たちが求められている答えは、いくらで売れるかではなく、希望の価格で売るためにはどうすればいいのかという質問に対しての答えであるべきだと考えています。

つまり、私たち不動産業者の仕事は「売れる価格」を機械的に伝えることではなく、「希望価格で売るための戦略」を組み立てることにあるのです。

もちろん、市場には相場があります。

それを無視した価格設定では、なかなか買い手が現れず、時間だけが過ぎてしまう可能性もあります。

でも、だからといって「相場=限界」と思い込むのは非常にもったいない話なのです。

売れる価格は「結果」でしかない

「〇〇万円なら売れますよ」と言われると、何となく安心感があるかもしれませんが、その価格はあくまで過去の取引事例や統計的なデータに基づいた「過去の平均的な結果」でしかありません。

でも不動産って、「世界にひとつしかないモノ」じゃないですか?

同じマンションの同じ階でも、角部屋か中部屋か、日当たりや眺望、内装の状態、そして売主様の住まい方やリフォームの有無、家具の配置などによって、感じ方は全く異なります。

これはつまり「同じモノではない」ということです。

同じ商品ではないのに、同じ価格で評価されるのはおかしいですよね。

不動産の価値は「伝え方」で変わる

だからこそ、私たちが重視しているのが「どう伝えるか」です。

・物件の写真や動画はプロのカメラマンに依頼する
・魅力的なキャッチコピーをつけて広告を作る
・内覧時にお客様がイメージしやすいよう、空間演出(ホームステージング)を施す
・その物件の“暮らしやすさ”や“価値”をストーリーとして伝える

こうしたひと手間が、相場を超える価格での成約につながることも多々あります。

特に最近では、SNSや動画、ウェブ広告の活用によって、従来の「レインズやポータルサイトだけで売る」という枠を超えた売却活動が可能になっています。

つまり、「どんな価格で売れるか」ではなく、「どうすれば希望価格で売れるのか」を一緒に考えることが、私たち不動産仲介業者の本当の役割だと考えています。

実際にあった事例

ここで、実際に私たちRE/MAXで取り扱った事例を少しご紹介しましょう。

ある分譲マンションの一室。相場では2,800万円前後が売却の目安とされていました。

しかし、売主様の希望は3,100万円。少し高めの価格帯でしたが、リフォーム済みで室内が非常に綺麗だったこと、周辺エリアでも人気の高い小学校区にあることなど、ポテンシャルは十分に感じられました。

そこで私たちは、「この価格で売れる」理由をしっかりと伝えるために、
・プロカメラマンによる撮影
・物件紹介動画の作成
・ターゲット層に合わせたSNS広告の出稿
・現地見学会(オープンルーム)の実施
といった施策を組み合わせて販売活動を行いました。

その結果、販売開始から2週間で複数の内覧申込が入り、最終的には希望価格の3,100万円でご成約いただくことができたのです。

また、他の実例では、居住中のまま他社で専任で預けたが売れなかった。ただ、その販売活動自体に納得がいっていないお客様から相談があり、私たちが依頼を受けることになりました。

価格はそのまま据え置き。居住中の状態ではあるが、在宅ステージングという手法を取り入れ、既存の具に加えて追加の小物を数点用意し、プロのカメラマンによる撮影を行い、販売活動を実施。

居住中ではあるが、売主様にご協力いただき現地見学会を実施し、数組の見込み客を獲得しそのまま成約。

売主様の希望に沿った価格での成約が実現できました。

不動産は「演出」できる時代へ

以前のように、

「不動産は売れればいい」

「多少安くなっても仕方ない」

といった売り方から、

「どう見せるか・どう魅せるか」

が重視される時代へと、今、不動産の売却は大きく変わりつつあります。

とくに、一般の方が情報収集の手段としてインターネットやSNSを活用するようになったことで、「物件の第一印象」がこれまで以上に重要になりました。

たった1枚の写真で、その物件に対する興味が決まることもありますし、内覧に来るかどうかの判断も、ネット上の情報でほぼ決まってしまいます。

だからこそ、売主様の大切な資産を「本来の価値より安く」見せてしまわないように、私たち仲介業者がやるべきことはたくさんあるのです。

あなたの不動産は「相場以上」で売れるかもしれない

冒頭に戻りますが、「相場でしか売れない」という考え方は、もう時代遅れかもしれません。

もちろん、相場は参考にすべき大切な指標です。
でもそれだけを頼りにせず、「希望の価格で売るために何ができるか?」を本気で考え、一緒に取り組んでいくことこそが、これからの不動産売却におけるスタンダードになると私たちは信じています。

不動産は「売り方」で価値が変わります。

あなたの大切な不動産、ぜひ一緒に最高の形で次の方へと引き継いでいきましょう。

この記事を書いた人
大西 征昭

オーナー

大西 征昭Masaaki Ohnishi

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